福祉サービス利用援助事業

(日常生活自立支援事業)

判断能力が不十分な高齢者や知的障害、精神障害のある方などに対して、福祉サービスの利用援助や日常生活上の手続き援助、日常的な金銭管理、書類等の預かりなどによる支援を行います。

どんな人が利用できるの?

高齢者、知的障害者、精神障害者などで判断能力が十分でないため日常生活上での福祉サービスのご利用や、金銭管理などがうまくできない方々が対象になります。

福祉サービスを利用したいが、どうすればいいのか分からない方

役所から書類がたくさんくるけど、どう手続きをしたらいいのか分からない方

計画的にお金を使うのが苦手なので、サポートしてほしい方

最近、物忘れがひどく通帳や印鑑などをなくしてしまいそうで心配な方

ただし
・ご本人の意思が確認できること
・ご本人が契約の内容を理解できること
が必須条件となります。
意思の確認や契約内容の理解が難しい場合は成年後見制度などの利用をお願いしています。

どんなことをしてくれるの? 利用料は?

日常的な金銭管理

日常的に使用する通帳とその届出印をお預かりし、支援計画に沿って出入金を行い、必要な支払いなどの支援を行います。
[たとえば、週1回ご自宅に生活費をお届けするなどの支援です。]

利用料
1時間まで1,000円(1時間を超えた後、30分の延長ごとに500円ずつ加算されます)
生活保護受給者は無料
住民税が非課税であり、かつ預貯金が350万円未満の方は半額助成が受けられます。

福祉サービスなどについての情報提供や利用のためのお手伝い

保健・医療・福祉サービスについての制度・内容に関する情報提供や専門家の紹介・助言、サービス申込手続きの支援、福祉サービス実施状況の確認などを行います。
[役所等への手続きに関するお手伝いも行っています。]

書類等預かりサービス

日常的に使用する通帳とその届出印は必ずお預かりしています。
そのほかにも預金通帳、権利証書、保険証書、実印、銀行印等の書類などを安全に保管します。
[お預かりできないもの:宝石、書画、骨董品、貴金属類、鍵など]

利用料
月額850円
生活保護受給者は無料

相談や支援計画の作成など、専門員による支援は無料です。

利用する流れは?

Step 1 相談

本協議会にご相談ください。

Step2 訪問・面接

専門員が訪問して、お話を伺います。

Step3 支援計画作成

ご本人の希望などを確かめて、支援計画を作成します。

Step契約締結

作成した支援計画でよろしければ、本協議会と契約します。

Step5 支援開始 

支援計画の内容にもとづき、生活支援員がお手伝いします。

利用例

1人暮らしの高齢者

介護支援専門員からの相談で、公共料金を滞納しており、生活費もうまく確保できていない。どこから手を付けていいのか分からず、家族も遠方なので頼れない。

滞納の整理を行い、収支の計画を一緒に立てた。
一緒に整理する事で本人も落ち着き、安定した生活を送れるようになった。

1人暮らしの精神障害者

精神障害があり、一人暮らしをしている。
負債があり、少しずつ返済しているものの、返済計画が立てられなくて不安がある。
サービスを利用するにも収支の計画が立てられない。

どんな負債がいくらあるのかを一緒に整理し、返済計画を立てた。
お金に関する不安を訴えるたびに、通帳と収支計画、負債残高を確認してもらった。
定期的な訪問等でご本人と信頼関係を築けるようになり、少しずつではあるが、ご本人も安心してきている。

身内からの金銭搾取

脳梗塞の後遺症で判断能力が低下しており、身内による金銭管理が行われていた。
しかしお金を渡されなくなり、公共料金や税金などの支払いも行われず、食事もまともに摂ることができていなかった。
通帳等の返還を求めても応じてくれず、途方に暮れていた。

相談支援専門員や介護支援専門員などとの協力により、通帳の再発行を行い生活費が確保できた。
負債の返済等や根本的な解決にはまだまだ時間がかかるが、食事を十分に摂ることができるようになり少しずつ生活が落ち着いてきている。

利用を希望される方やご家族、関係者の皆様にお願い

「福祉サービス利用援助事業」では次のことが大切になってきますので、特にご家族や関係者の皆様にご理解をいただきご協力をお願いします。

ご本人の意思が確認できること
この事業や福祉サービス等を利用する際の手続きや申請、日常的な金銭管理等、利用者の権利に深くかかわった援助を行うため、あくまでもご本人(利用者)の意思が確認できることが利用していただく前提となります。
関係者や本人以外の人が利用してほしいと思っていても、ご本人の意思確認がない状態で契約することはできません。

ご本人が契約の内容を理解できること
この事業における「契約」とは、ご本人(利用者)と社会福祉協議会の間で「福祉サービス利用援助事業」契約を締結することをいいます。
家族や代理の方と契約を結ぶことはできません。そのため、利用者はこの契約内容を理解されていなければ契約を締結することはできません。

以上の2点が確認されていなければ、利用者に不利益を生じさせることにもつながりかねません。
契約は双方が対等な立場であることに重要な意味があると同時に、ご本人の意思を最大限に尊重していくことが必要だと考えています。